○養老町文化財保護条例
昭和52年3月23日
条例第14号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 有形文化財(第4条―第10条)
第3章 無形文化財(第11条―第14条)
第4章 民族文化財(第15条―第18条)
第5章 記念物(第19条―第22条)
第6章 養老町文化財保護審議会(第23条―第29条)
第7章 雑則(第30条・第31条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、養老町(以下「町」という。)内に存する文化財で町にとって重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって町民の文化的向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例で「文化財」とは、次に掲げるものをいう。
(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で町にとって歴史上又は、芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)
(2) 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で町にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)
(3) 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で、町民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。)
(4) 貝づか、古墳、都城跡、城跡、旧宅その他の遺跡で町にとって歴史上、又は学術上価値の高いもの、庭園、橋梁、峡谷、山岳その他の名勝地で町にとって芸術上又は、観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で町にとって学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)
(財産権等の尊重及び他の公益との調整)
第3条 教育委員会(以下「委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
第2章 有形文化財
(指定)
第4条 委員会は、有形文化財のうち町にとって重要なものを養老町重要文化財(以下「町重要文化財」という。)に指定することができる。
2 前項の規定による指定をするには、委員会はあらかじめ指定しようとする有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合は、この限りでない。
3 第1項の規定により指定をするときは、委員会は、その旨を公示し、かつ当該有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。
4 第1項の規定による指定をしたとき、委員会は、当該町重要文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。
(解除)
第5条 町重要文化財がその価値を失った場合、町内に所在しなくなった場合、その他特殊の事由があるときは、委員会は、その指定を解除することができる。
(管理又は修理に関する指示)
第6条 委員会は、町重要文化財の所有者に対し、町重要文化財の管理又は修理に関し必要な指示をすることができる。
(所有者の管理義務及び管理責任者)
第7条 町重要文化財の所有者は、この条例並びにこれに基づく委員会規則及び委員会の指示に従い町重要文化財を管理しなければならない。
2 町重要文化財の所有者は、特別の事情があるときは、専ら自己に代わり当該町重要文化財の管理の責に任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。
(届出)
第8条 町重要文化財の所有者又は、管理責任者は次に掲げる事項に該当するときは速やかに委員会に届け出なければならない。
(1) 所有者が変更したとき。
(2) 管理責任者を選任、又は解任したとき。
(3) 所有者又は管理責任者が氏名若しくは名称又は住所を変更したとき。
(4) 町重要文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗みとられたとき。
(5) 町重要文化財の所在の場所を変更したとき。
(6) 町重要文化財を修理しようとするとき。
(管理又は修理の補助)
第9条 町重要文化財の管理又は修理につき多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、町はその経費の一部に充てさせるため当該所有者に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 委員会は、前項の補助金を交付する場合には、その補助の条件として管理又は修理に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理又は修理について指揮、監督することができる。
(報告の徴取)
第10条 委員会は、必要があると認めるときは、町重要文化財の所有者又は管理責任者に対し、当該町重要文化財の現状又は管理若しくは、修理の状況につき報告を求めることができる。
第3章 無形文化財
(指定)
第11条 委員会は、無形文化財のうち町にとって重要なものを養老町重要無形文化財(以下「町重要無形文化財」という。)に指定することができる。
2 委員会は、前項の規定による指定をするに当たっては、あらかじめ別に定める養老町文化財保護審議会に諮問して、当該無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
4 委員会は、第2項の規定による認定をしたときは、当該重要無形文化財の保持者又は保持団体の代表者に認定書を交付しなければならない。
(解除)
第12条 町重要無形文化財がその価値を失った場合その他特殊の事由があるときは委員会は、その指定を解除することができる。
2 保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められる場合その他特殊の事由があるときは、委員会はその認定を解除することができる。
5 保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。)は、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし、保持者のすべてが死亡したとき、又は保持団体のすべてが解散したときは、町重要無形文化財の指定は解除されたものとする。
(保持者の氏名変更等)
第13条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したとき、その他委員会規則の定める事由があるときは、保持者又はその相続人は速やかにその旨を委員会に届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、又は解散したときも、代表者(保持団体が解散した場合にあっては、代表者であった者)について同様とする。
(補助)
第14条 町は、町重要無形文化財の保持者又は保持団体その他その保存にたることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
第4章 民俗文化財
(指定)
第15条 委員会は、有形民俗文化財のうち町にとって重要なものを養老町重要有形民俗文化財(以下「町重要有形民俗文化財」という。)に無形民俗文化財のうち町にとって重要なものを養老町重要無形民俗文化財(以下「町重要無形民俗文化財」という。)に指定することができる。
3 第1項の規定による町重要無形民俗文化財の指定をするときは、その旨を公示しなければならない。
(解除)
第16条 町重要有形民俗文化財又は町重要無形民俗文化財がその価値を失った場合、その他特殊の事由があるときは、委員会はその指定を解除することができる。
3 第1項の規定による町重要無形民俗文化財の指定の解除をしたときは、その旨を公示しなければならない。
(町重要無形民俗文化財に関する準用規定)
第18条 第14条の規定は、町重要無形民俗文化財について準用する。
第5章 記念物
(指定)
第19条 委員会は、記念物のうち町にとって重要なものを養老町史跡、養老町名勝又は養老町天然記念物(以下「町記念物」と総称する。)に指定することができる。
(解除)
第20条 町記念物がその価値を失った場合、その他特殊の事由があるときは、委員会はその指定を解除することができる。
(現状変更等の制限)
第21条 町記念物に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状変更については、維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合はこの限りでない。
第6章 養老町文化財保護審議会
(設置)
第23条 委員会の附属機関として、養老町文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(所掌事務)
第24条 審議会は、委員会の諮問に応じて文化財の保存及び活用に関する専門的かつ技術的事項を調査審議するとともに必要と認める事項を委員会に建議する。
(審議会への諮問)
第25条 委員会は、次に掲げる事項については、あらかじめ審議会に、諮問しなければならない。
(1) 町重要文化財の指定及びその指定の解除
(2) 町重要無形文化財の指定及びその指定の解除
(3) 町重要無形文化財の保持者又は保持団体の認定及びその認定の解除
(4) 町重要有形民俗文化財又は町重要無形民俗文化財の指定及びその指定の解除
(5) 町記念物の指定及びその指定の解除
(組織)
第26条 審議会は、委員5人をもって組織する。
2 委員は、学識経験のあるもののうちから委員会が任命する。
3 委員の任期は3年とする。ただし、補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。
(会長)
第27条 審議会に会長を置き委員の互選により定める。
2 会長は、審議会の会務を総理する。
3 会長に事故があるときは、あらかじめ会長の指定する委員がその職務を代理する。
(会議)
第28条 審議会は、会長が招集し、会長が議長となる。
2 審議会は、委員の過半数が出席しなければ会議を開き議決することができない。
3 審議会の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは会長の決するところによる。
(書面審議)
第29条 前条第1項の規定にかかわらず、会長が審議会を招集する時間的余裕がないと認めるとき、又は困難であると認めるときは、委員に書面を送付し審議することをもって審議会に代えることができる。
3 第1項の規定により書面による審議を行ったときは、会長は、速やかにその結果を委員に報告しなければならない。
第7章 補則
(補助金の返還)
第30条 委員会は、この条例の規定により、補助金の交付を受けた者が、この条例に基づいて付した条件に違反したとき、その他特別の事由があると認めるときは、補助金の全部又は一部の返還を命ずることができる。
(委任規定)
第31条 この条例の施行に関し必要な事項は、委員会で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、昭和52年4月1日から施行する。
(養老町文化財保護に関する条例の廃止)
2 養老町文化財保護に関する条例(昭和30年養老町条例第19号)は、廃止する。
(経過規定)
3 この条例施行の際養老町文化財保護に関する条例(以下「旧条例」という。)の規定により指定されている養老町指定有形文化財、無形文化財及び史跡、名勝、天然記念物は、養老町文化財保護条例(以下「新条例」という。)の相当規定により指定された町重要文化財、町重要無形文化財、町重要有形民俗文化財、町重要無形民俗文化財、又は町史跡、名勝、天然記念物とみなす。この場合において旧条例の規定により交付された指定書は、新条例の相当規定により、交付された指定書とみなす。
4 この条例施行の際、現に旧条例第16条第2項の規定により任命されている養老町文化財審議会の委員は、新条例第26条第2項の規定により任命された養老町文化財保護審議会の委員とみなす。
附則(令和3年5月17日条例第17号)抄
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。